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鳥取県議会平成28年 5月定例会での質問①「学校教育の政治的中立性について」

「学校教育の政治的中立性について」

○12番(松田正)
 6月1日、第 190回通常国会が閉会し、安倍総理は消費税増税延期を正式表明、6月22日公示、7月10日投開票の日程がほぼ固まり、いよいよ第24回参議院議員通常選挙が目前に迫ってまいりました。今回の参院選の大きな注目点は、残念ながら我が県も関係しております合区の問題と、もう一つ、18歳選挙権であります。今月19日に改正公職選挙法が施行されるのを受けて、選挙権が得られる年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられ、全国では18歳と19歳のおよそ 240万人が、本県においては新たに1万 1,000名が有権者に加わる見通しであります。そして、そのうち約 1,500名が高等学校等の生徒であります。私は先議会において、18歳選挙権に向けた主権者教育の課題点について、児童生徒の選挙体験の重要性、地方選挙への対応、選挙違反防止への対応、そして、教員の政治的中立性などに関して中島教育委員長、山本教育長に質問させていただきました。
 いよいよ初めての主権者教育の成果が出ようとしている今、私はいま一度声を大にして申し上げたいのが、学校教育、とりわけ教員の政治的中立性についてであります。学校の政治的中立性は学校教育の根幹である教育基本法14条2項にうたってあり、児童生徒にとって教員の影響力を考えますに、ここの部分は何があっても守っていただきたいと私は考えております。
 先議会において、教員の政治的中立性をいかに担保するのかという私の質問に対する山本教育長の御答弁は、教員は公職選挙法等において、その地位を利用した選挙運動が禁止されている。また、教育基本法や教育公務員特例法などで、その言動が生徒の人格形成に与える影響が極めて重要で大きいことに留意し、学校の内外を問わず、その地位を利用して特定の政治的立場に立って生徒に接することがないように、また、不用意に地位を利用した結果とならないようにすることが求められている。教育委員会としては、昨年12月の通知の中でも、こうしたことを含め、指導上の留意事項として改めて注意喚起を行い、また、校長会等でも複数人のチームで対応することなどについて指示をした。チームで対応すること、現場からの実践例を集めて、その問題点や課題等を検証することなどを通じて新しい教材の開発に努めるなど、そうしたことを通じて政治的中立性を担保したいということでございました。答弁を伺いますと、教育委員会としては、今、できることを万全の体制を敷いていらっしゃるなと理解させていただきました。
 しかしながら、先般、ほかの自治体ではありますが、私の懸念が現実のものとなる事案が発覚しましたので、御紹介させていただきます。
 5月24日の産経新聞の報道でございますが、北海道苫小牧市の道立高校の校門前で教員が生徒に安全保障関連法への反対を呼びかけるビラを配っていた。ビラは、市民団体などが安保法を戦争法などとして廃止を求めている 2,000万人統一署名の協力を要請するものだ。4月下旬に、校門前の路上で教員2名が登校する生徒らに配布。うち教員1名は下校時間帯に署名を集め、生徒2人が応じたという。北海道教育委員会が学校側に文書回収などを指示し、署名活動を中止させたが、これに対して、教員が所属する同高校教職員組合は不当な介入として抗議している。理由として、市民に保障されている政治活動を休暇をとって行い、配布場所も学校敷地外とするなど配慮したことを上げ、組合活動への介入で、憲法の団結権や思想・良心の自由などを侵すとしている。教育の場に政治を持ち込むことこそ不当な介入である。教育の政治的中立を明記した教育基本法など関連法規を持ち出すまでもない。だが、教員の資質に疑問が生じる問題が絶えない。
 反安保の例だけでも、昨年、新潟市の市立小学校で担任が安保関連法に反対するビラを配布したほか、今春には、千葉県立高校の元教諭が無断で持ち出した生徒の個人情報を使い、封書を送って卒業生に署名を要請した。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるのに伴い、学校においても賛否のある時事的テーマを取り上げる機会が多くなるだろう。こうした授業では、物事を異なった立場や視点から考えることが欠かせない。
 ということで、ほかの自治体ではこうした教員自身の政治的思想を児童生徒に押しつけるような事例が多発しております。子供たちにとって、学校教育の場における教員、先生の影響力は非常に大きいものがあることは明らかであります。私は、こうしたことが我が県の教育現場で絶対に起こってほしくないと考えており、以下、質問させていただきます。
 教員の児童生徒に対する影響力、そして、教員の政治的中立性の重要性についてどのようにお考えか、いま一度山本教育長に伺います。
 また、きょうは同様に、平井知事の所見もお聞かせください。

○知事(平井伸治)
 教育委員会のほうがこれは具体的ないろんな取り扱いも含めて見ているところでありますし、また、教育委員会のお考えをぜひ聞いていただければと思います。
 私のほうは一般論ということになるかと思いますが、先ほど御指摘ありました教育基本法14条で、政治的中立性ということが学校においては求められています。また、教育公務員の特例法、これの18条におきましても政治的行為の禁止、これが定められているところでございます。私どもの一般職も含めまして、地方公務員は 136条で政治的行為の制限があります。さらに公職選挙法 137条におきまして、地位利用による選挙運動の禁止ということが定められています。実は、こうしたことは世界で共通のものでもないのですね。我が国の戦後の民主主義をつくるに当たりまして、教育のシステムをつくる、それから、選挙の仕組みをつくると、そういう際にこういうような教育に携わる者の一般的な制限が設けられているわけであります。一面において、表現の自由だとか政治的行為の制限という、そういう憲法21条に反するんじゃないかという議論もありますが、これは恐らく我が国において、これが●テイリツされてきた意義もまたあるんだろうと思います。やはりある意味、子供たちへの影響であるとか、それから、学校の先生が地域の中で尊敬を集める存在であるがゆえに、社会的影響力も大きい。結局、学校の先生が何か言ったことで、それで子供たちがそのとおりというふうに、日本の子供たちは素直ですから、なびいてしまう。また、地域においても先生には逆らえないからなということで、先生の言うことを聞いてしまうということはあるかもしれません。こんなようなことで、ちょっと我が国とか一部の国にありますが、公務員の政治的行為の制限や、あるいはそうした地位利用の選挙運動等の規制が設けられている趣旨があるのだろうと思います。法治国家でありますので、そういう中立性が定められていること、その制度の趣旨というものに鑑みて、それを守りながら進めていただく必要があるだろうと思います。
 特に今、高校生まで、18歳という年齢を区切りに選挙権が与えられることになりました。もう高校だとか、学校を離れた社会人と違いまして、学校の中は先生の教えを聞くということで学んでいく場でありまして、特に政治的影響力は強い、そういう子供たち、そういう影響力を受けるかもしれないという子供たちが選挙権を持つということになります。いろんな政治的な心情は内心で持たれることは、それは自由なんだと思いますが、それを地位を利用して子供たちをいわば投票行動に結びつけるように動くことはあってはならないことだろうと思います。この辺は、また現場のほうで教育委員会も徹底しておられるというふうに伺っているところであります。

○12番(松田正)
学校教育の政治的中立性についてですが、きょうは知事にも御答弁いただきまして、ありがとうございました。思いは一緒だなというふうにも感じております。
 先議会でもこれはやりかけまして、ちょっと時間が切れてしまって尻切れとんぼみたいになっちゃったのですけれども、何でこれをこんなにしつこく私が言うかというと、実際、私が高校生のころに、そういった偏った教育を受けた経験があるからです。この間も言いましたけれども、先議会でも言いましたけれども、授業中にですよ、寄せ書きの書かれた日章旗も持ち出して、日本はこんなひどい国だと。若者にこんなものを持って戦場に行かせて、殺した国だと。卒業式の前だったのですけれども、卒業式のときにそういったことをやった天皇をたたえる君が代を歌ってはならないというような先生に出会いまして、私を含め、数名が実際に起立しなかったということがあります。今思えば、反面教師になってよかったのかなと思いますが、というようなことで、そういった土壌がやはりあると思うのですよね。先議会でも申し上げましたが、鳥取県内の高校の教員が安保法制に関するそういった授業の中で、デモ行為に特化した授業を行った。また、これはまた県内の中学校の教員ですが、政府見解とは異なる自衛隊を完全否定するような、そういった授業も行ったというようなことを労働組合の集会で喜んで発表しているわけですよね。だから、そういった風土がある、さっきも言いましたけれども。そういった中で、本当に子供たちを学校に預けられるのかなという懸念があるわけであります。
 今、教育長も答弁されましたが、これが教育委員会の新しいやつだと思いますけれども、新聞ですね、この選挙運動について等がわかりやすく書いてありまして、本当に努力されているんだなというふうに思います。また、この間、坂野議員が日本海新聞さんのアンケートの結果を例にとられていましたけれども、私も見てみまして、これはすごいのですよ。回答率が93%ということで、多分3年生の全部、全生徒に送ったというふうに伺いましたので、まず、そこがすごいなというふうに思ったところと、坂野議員はこの関心が低いというところを取り上げられましたが、私は知事と同様に、投票にほぼ行くという意思を持っておられる子が65%ということで、これは一つの主権者教育のたまものじゃないかというふうに思っていますので、この間の教育委員会、選挙管理委員会、また教員の皆さんの努力には敬意を表したいというふうに思っております。
 実際、うちの娘はまだ中学生なのですけれども、選挙権が18歳になったことによって、やはりすごい身近に感じるみたいでして、うちの子の同級生などもそういった話をしてくるのですよね。ですので、これからはしっかり政治的中立性を担保した上で主権者教育をしっかりと行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

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